世の中のすべてのことは不確実だというようなロジックではなく、職業として見た場合の芸術家は、この不確実性の処理に悩むことになる。
なぜならば、芸術家というものは基本的に不確実性を期待されているので、つまり「驚き」を期待されているので、過去の経験はジレンマにこそなれ、有利には働かない。過去の模倣や、成功体験が極めて有利に働きにくい職業だということになる。しかし、これは大きな矛盾を孕むのであって、なぜならば芸術家といえども過去の「経験」にものを言わせて仕事をしているということは、他の職業と変わらないからである。
一言で言うと、過去の経験が、芸術家という不確実性を期待されている職業では有利に働くどころか、逆に足かせになる可能性が高いということである。
ちょうど相場と同じである(ということが言いたかった)。
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